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補聴器の使い方・保守について

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補聴器の使い方・保守について

補聴器などを利用せず自然なきこえ方を『聞こえ』、補聴器などによって補正されたきこえ方を『聴こえ』と区別して表記しています。

Qデジタル補聴器とアナログ補聴器があるようですが、違いは何ですか?

Aデジタルとアナログの補聴器の違いは、音の処理の仕方にあります。
アナログ補聴器は、音をそのまま電子信号として処理して増幅しますが、デジタル補聴器は音響信号をデジタル処理(0と1の2つの数字の並びに変換)し、補聴器内部の極小なコンピュータで処理しています。コンピュータのデジタル処理とは、やや専門的ですが、多チャンネル化や騒音抑制、ハウリング(マイク部分とスピーカー部分が近いため補聴器を経た音が再び補聴器に入り込んだ際にピーピーといったノイズの発生)の抑制などを行うものです。特定の音域の増幅や抑制によって言葉を明瞭にして、より快適な『聴こえ』にする処理です。
現在は、デジタル補聴器が主流になり、より柔軟で高度なご要望にお応えできるようになっています。

Q騒音と会話が区別できる補聴器があるのでしょうか?

Aかつての補聴器や集音器、助聴器の中には、あらゆる音を増幅するものがあり、重要な会話の声だけでなく周囲の騒音も大きくしてしまいます。これでは、かなり意識をして聴き分けを行わないと会話の内容が把握できず、長時間装用していると疲れてしまうことがあります。
最近のデジタル補聴器の中には、騒音を低減する機能(ノイズリダクション機能などと呼ばれています)をもったものがあります。騒音と音声を厳密に区分けすることは難しいのですが、全体の音の中から、騒音と判断される成分の増幅を抑えることで、相対的に音声を聴き取りやすくするものです。例えばエアコンの音や連続的な機械音などの騒音は、音声と比較的明確に区分けができるので、効果的に抑えることができます。この機能も日々進化し、明らかに音声の特徴と異なる音(騒音)の成分を判別して抑えるような機能を搭載した補聴器もあります。
また、集音機能を向上させた指向性をもったデジタル補聴器(後方からの音を小さくし、前方からの音を聴きやすくする機能で、周囲の騒音に左右されず、前方からの音が聴き取りやすくなったもの)もあります。

Qボリューム調整ができるものとできないものとでは何が違うのですか?

A補聴器は、同一の周波数であれば小さな音も大きな音も一定の度合いで増幅するリニア増幅補聴器と音の強弱に合わせて補聴器が自動的に増幅する度合いを調節してくれるノンリニア増幅補聴器とがあります。大小を問わず一定度合いで増幅するリニア増幅補聴器にはボリューム調整つまみがついており、ご使用になる方が音の大小に合わせてボリュームの上げ下げを行って、便利に使う機能がついています。補聴器に慣れた方の場合、上手にボリュームをコントロールし、状況に合わせてお使いになることが可能です。
一方、ノンリニア増幅補聴器は、あらかじめ大小の音を『聞こえ』に合わせて調整しておくため、音量の操作が不要で、大きな音に対してうるささを感じにくいという特長があります。最近では、ノンリニア増幅補聴器にもボリュームを操作できるようにして、リニア増幅補聴器の良さをを取り入れた機種も登場しています。

リニア増幅

入力音:40 増幅量:60 聴こえる大きさ:100
入力音:80 増幅量:60 聴こえる大きさ:140

ノンリニア増幅

入力音:40 増幅量:60 聴こえる大きさ:100
入力音:80 増幅量:20 聴こえる大きさ:100
入力音:120 聴こえる大きさ:120(音の増幅はない)

Q補聴器の聴こえに慣れるためにはどうすればいいですか?

A初めて補聴器をお使いになる方、新しいものに替えた方、それぞれに慣れるまで時間が必要になるものと思われます。
慣れに要する時間は個人差がありますが、あきらめずに使いこなしていただければ幸いです。

[より良い『聴こえ』のための4ステップ]

1室内の静かな所から練習を

補聴器の音にまずは慣れる必要があります。補聴器を通して聴こえる音が何の音なのか、一つ一つ確かめてみて下さい。今まで聞こえていた音も補聴器を通して聴くと感じが違うことがあります。まずは、補聴器の音に慣れることが肝心です。
最初から長時間お使いになると疲れを感じることがありますので、ご無理なさらず短時間から使い始めていきましょう。

2一対一での会話から

会話はできるだけ静かな室内で、顔の表情を読み取りやすいよう向かい合って行いましょう。座った方がリラックスできると思います。
最初は少し騒がしく感じるかもしれませんし、相手の方の声も少し違って聴こえるかもしれませんが、慣れてくるにつれて会話の声が鮮明になってきますので、意識して聴いてみましょう。

3テレビやラジオを視聴

テレビやラジオの音を聴いてみましょう。ご家族がいらっしゃればその会話の音量程度に聴こえるよう、ボリュームを調節して聴き、音に慣れていきましょう。

4複数人で会話を

複数の人と会話をして、それぞれの方の声を聴き分けてみましょう。話しを聴きたい方に意識を集中して下さい。周囲に会話以外の音(テレビやラジオ、音楽や外の雑音など)があると聴きとりが難しくなりますが、慣れていくに従って聴き分けができるようになりましょう。

Q補聴器を装用して電話することはできますか?

A電話の場合、相手の方の表情や口元、態度などがわからないため、感情などの情報が得にくく、通常でも雰囲気などが伝わりにくいので、会話の内容を把握しづらいものです。相手の方が早口の場合はなおさらでしょう。
補聴器を通して電話をする場合は、受話器を耳に押し当てるようにすると聴こえづらい場合があります。
補聴器のマイク位置に受話器の音の出る方を2~3cm程度の距離に近づけると集音しやすくなるため、会話が進みます。
携帯電話の場合、携帯電話の使用に対応した補聴器がありますので、ご購入時に携帯電話をお使いになる旨をお申し出下さい。国際電波対応規格に適合した、電話機からのノイズを軽減できる補聴器があります。
また、ご使用の補聴器のタイプに合わせて受話器や補聴器の位置合わせを工夫していただくようになりますので、注意が必要です。耳穴型の場合、受話器を耳穴に軽く当ててお話しいただけますが、耳掛型の場合は、補聴器の上部にマイクがあるため、耳の後方やや上に受話器を近づけていただくことで通話が明瞭になります。
ポケット型の場合、補聴器本体を受話器の音の出る方に近づけていただき、通話していただくようになります。
通話時、ハウリング(ピーピーといった機械音)がなる場合、補聴器の音漏れが懸念されますので、点検をお奨めします。

Q補聴器を装用したままレントゲン・MRI・CT検査を受けても大丈夫ですか?

Aレントゲン・MRI・CT検査時は、補聴器をはずして検査を受けて下さい。
MRIは極めて強い磁場を発生させますので、強磁性体(鉄やニッケルなど)があるとそこに磁力線が集中するため、補聴器の故障を引き起こします。レントゲン撮影では、金属類が撮影部位付近にあることで診断に誤りを生じさせるおそれがあります。CT撮影も同様な配慮が必要です。
検査・受診時は医師の指示に従って下さい。
また、接骨院などの低周波治療器や電磁調理器の中には、補聴器に雑音を生じさせるものがあります。デジタル補聴器の故障となる場合もありますのでご注意下さい。

Q補聴器の調整・修理は購入後どのくらいまでできますか?

A調整可能であれば、ご購入後の聞こえの変化にお合わせした調整は随時承ります。
修理は、ご購入された補聴器のメーカーが補修部品を保有している間はお受けすることが可能です。一般的には、製造中止または販売完了になってから5年程度は保有しており、その期間中は対応可能です。詳しくはご購入店にお尋ね下さい。

Q補聴器の保守(お手入れ)はどのようにすればよいですか?

A補聴器はとても精密で小さな電子機器です。基本的なメンテナンスやクリーニングは購入店で承りますので、遠慮なくお申しつけ下さい。
ご使用時にご注意いただき点は、水分・汗などを補聴器についた状態にしておかない、水分・汗などが付着した場合は清潔で柔らかい布などで拭き取っていただくということです。汗やホコリは故障の原因になりますので、こまめに拭いていただくだけでも寿命が長持ちします。
ご使用にならないときは、専用の乾燥剤の入ったケースに保管するとよいでしょう。
長期間ご使用にならないときは、電池は本体から取り出して、電池収納部のふたを開けた状態でケースに入れておいて下さい。この際、電池は乾燥剤入りのケースには入れずに、別にしておきましょう。
補聴器を拭き取ったり、電池交換をする際は、落下による損傷を防ぐため、布などをテーブルに敷いて、その上で行って下さい。補聴器のタイプによってお手入れ方法が違いますので、事前に取扱説明書をご参照されることをお奨めします。

Q補聴器の点検はどのくらいの頻度ですればよいでしょうか?

A補聴器は、汗・湿気・ホコリなどが原因で故障を起こすことがありますので、定期的(3ヵ月ごと程度)に購入店で点検やメンテナンス、クリーニングを受けるとよいでしょう。

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