目の健康を守るために知っておきたいこと
2025.09.02

この記事の目次
- はじめに
- 紫外線が目に与える影響(種類と特徴)
- 紫外線による目への具体的な影響
- 慢性的な疾患
- メガネによる紫外線対策
- サングラスとメガネの使い分け
- メガネの正しいメンテナンス
- よくある誤解と正しい知識
- まとめ
はじめに
「紫外線は肌に悪い」ということは広く知られていますが、実は目にも深刻な影響を与えることをご存知でしょうか。
私たちの目は常に紫外線にさらされており、適切な保護がなければ様々な眼疾患のリスクが高まります。
今回は、メガネによる紫外線対策の重要性と、目の健康を守る方法について詳しく解説します。
紫外線が目に与える影響(種類と特徴)
紫外線は波長によって以下の3つに分類されます。
- UV-A(315-400nm)
地表に到達する紫外線の約95%を占める。
目の奥深くまで到達し、長期的なダメージを与える。
雲や窓ガラスを通過しやすい。 - UV-B(280-315nm)
エネルギーが強く、急性の炎症を引き起こしやすい。
オゾン層である程度吸収される。
角膜炎や雪目の原因となる。 - UV-C(100-280nm)
オゾン層でほぼ完全に吸収される。
紫外線による目への具体的な影響
- 急性の症状
- 角膜炎(雪目、電気性眼炎)
- 結膜炎
- 目の痛み、充血、涙が止まらない
慢性的な疾患
- 白内障の進行促進
- 加齢黄斑変性のリスク増加
- 翼状片(結膜が角膜に伸びる病気)
- 瞼裂斑(白目の一部が黄色く盛り上がる)
メガネによる紫外線対策
- UVカット機能の重要性
現在多くのメガネレンズには、UVカット機能が標準で付いています。
「UV400」表示があれば、400nm以下の紫外線をカットされます。 - レンズの種類と特徴
○クリアレンズ(透明レンズ)
日常使いに最適
UVカット機能付きでも見た目は普通のメガネ
室内外問わず使用可能
○調光レンズ
紫外線の強さに応じて色が変化
屋外では自動的にサングラス効果
一枚で両方の機能を兼ね備える
○偏光レンズ
反射光をカットし、眩しさを軽減
運転や釣り、スポーツに効果的
紫外線カット機能も併せ持つ
サングラスとメガネの使い分け

- サングラスの選び方
大きめのレンズや、顔を覆う形状のフレームを選ぶことで、側面からの紫外線も防ぐ効果があります。
視力矯正が必要な方には、度付きサングラスがおすすめです。
◎メリット
視力矯正と紫外線対策を同時に実現
コンタクトレンズ使用時の負担軽減
アウトドア活動での利便性向上 - 季節・環境別の紫外線対策
○夏季の対策(海や山でのレジャー)
水面や雪面からの反射により紫外線量が倍増
より高いUVカット率のサングラスが必要
帽子との併用が効果的
○冬季の注意点(スキー・スノーボード)
雪面からの反射で強烈な紫外線
高地では紫外線量がさらに増加
ゴーグルタイプの保護具が理想的
○日常生活での対策(通勤・通学時)
曇りの日でも紫外線は存在
UVカット機能付きの普通のメガネで十分
継続的な保護が重要
○子どもの目の紫外線対策
子どもの目は特に注意が必要。
子どもの目は大人よりも紫外線に敏感で、水晶体が透明なため、より多くの紫外線が網膜まで到達します。 - 対策のポイント
外遊びの際は必ず帽子とサングラスを着用
UV400対応の子ども用サングラスを選択
抵抗感を減らすため、好きなデザインを選ばせる
メガネの正しいメンテナンス
- UVカット機能の持続性
UVカット機能は基本的に永続的ですが、レンズに傷がついたり、コーティングが剥がれたりすると効果が低下する可能性があります。 - メンテナンスのポイント
専用クリーナーでの定期的な清拭
マイクロファイバークロスの使用
高温場所での保管を避ける
定期的な眼鏡店でのチェック
よくある誤解と正しい知識
- 色の濃さとUVカット効果
「色が濃いほどUVカット効果が高い」と思われがちですが、これは誤解です。UVカット機能は特殊なコーティングや素材によるもので、レンズの色とは無関係です。 - 室内での紫外線
窓ガラス越しでも、UV-Aはある程度透過します。特に窓際での長時間作業では、UVカット機能付きのメガネの着用が推奨されます。
まとめ

目の健康を長期間維持するためには、紫外線対策が欠かせません。メガネやサングラスは、単なるファッションアイテムではなく、大切な目を守る医療器具としての側面も持っています。
日常的にメガネを着用している方は、UVカット機能の有無を確認し、必要に応じてレンズの交換を検討してください。また、アウトドア活動が多い方は、専用のサングラスの準備も重要です。
適切な紫外線対策により、白内障や加齢黄斑変性などの深刻な眼疾患のリスクを大幅に減らすことができます。今日からでも遅くありません。目の健康を守るための第一歩として、紫外線対策を始めてみませんか。
記事監修:アイジャパン株式会社 マーケティング本部コミュニケーションデザイン部 木村 幸生